シン・ムジカ20周年に寄せて
皆様からいただいたメッセージをご紹介させていただきます。
コンサートプログラムより 英国歌曲展Plus(2022年9月10日(土)開催 静岡市清水文化会館マリナート(小)にて)
6年半のイギリス生活から帰国した20世紀末、合唱指揮を生業としていたわたくしの父、辻正行の音楽事務所には数人の熱意ある若者たちがいて、蓑島さんはその中のお一人でした。美しいバリトンの声を買われてか、事務能力を買われてか、父に人生を変えられてしまった若者の一人だったのだと思います。
2003年に父が亡くなった時、蓑島さんが事業主宰者となって進めていた髙田三郎先生の合唱作品によるCD全集の制作は、まだ道半ばでした。蓑島さんは父の後任指揮を、40歳になったばかりのわたくしに託されました。今思えば大変な重責を担ったことになりますが、当時のわたくしにとっては、新たな気持ちで髙田作品と向き合い、心から楽しんで音楽することの出来た仕事でした。蓑島さんには、かなり勇気の要る重大な決断だったことと思います。
静岡に帰って地元の文化に貢献したいという蓑島さんの決意に、わたくしどもは心から共感し、応援したいと願いました。そしてかれこれ20年、応援しているつもりがいつのまにか応援される立場となり、わたくしは今もこうして、ここ静岡の地で、多くの聴衆の皆さんと触れ合う機会を頂いております。
父がわたくしどもに残してくれた最大の遺産は、蓑島さんとのこの関係です。どれほど感謝しても感謝しきれるものではありません。『英国歌曲展』リサイタルシリーズも26回目となりますが、シン・ムジカさんの存在なしにここまで継続することはできなかったでしょう。これからも、蓑島さんが我々と仕事をしてくれる限りは、舞台に立ち続けられるよう、努力を重ねてゆきたいと思っています。
2022年9月吉日 辻 裕久
コンサートプログラムより 中桐望ピアノリサイタル(2022年11月19日(土)開催 静岡市清水文化会館マリナート(小)にて)
シン・ムジカ20周年、誠におめでとうございます!
2015年にシン・ムジカ主催の"作曲家の庭シリーズ"ショパンの回に出演させて頂いて以来、いつも静岡での演奏の場を作ってくださるシン・ムジカ様、そして応援してくださる静岡の皆様に心から感謝申し上げます。
今回はオール・ベートーヴェンプログラムということで、作曲家の庭シリーズ・初登場のベートーヴェンを演奏できることをとても嬉しく思うとともに、四大ソナタという言わずもがな超傑作たちを演奏することに少しプレッシャーも感じていますが、シン・ムジカ様の温かな、音楽への愛に溢れた雰囲気に身を委ね、感謝し、皆様とベートーヴェンの音楽の素晴らしさを共有できたらと思います。
中桐 望
コンサートプログラムより 辻裕久テノールリサイタル(2022年12月27日(火)開催 三島市民文化会館(小)にて)
シン・ムジカに頼っていること。
リサイタルの運営すべて/出版物の校正や確認/イラストや小道具の制作/漠然とした企画を実現する道筋をつけて頂く/勉強を怠らないように仕事を与えて頂く/何かと督促して頂く/静岡の美味しいお茶を季節ごとに頂く/夫をかまってもらう/私もかまってもらう/無理なことは無理と言ってもらう・・・
これらの帰結として
結論 : シン・ムジカがサポートして下さる限り私達は大丈夫。
20周年おめでとうございます。
これまでの歩みに敬意と感謝を捧げつつ、
これからもどうぞよろしくお願いします!!
なかにしあかね
コンサートプログラムより 長尾洋史ピアノリサイタル(2023年3月17日(金)開催 すみだトリフォニーホール(小)にて)
このたびはシン・ムジカ創立20周年記念演奏会に出演させていただき、大変光栄に思っております。
シン・ムジカの蓑島さんとの出会いは10年程前、静岡児童合唱団と共演させていただいた時でした。そして、翌年の私のリサイタル終演後、会いに来て下さり「何か演奏会やりませんか」とおっしゃって下さったのです。それから静岡と東京でのリサイタル、また静岡在住の素晴らしい演奏家の方との共演など、数々の演奏の機会を作って下さいました。蓑島さんご夫妻の音楽と人に対する誠実で優しさにあふれた思いに触れますと、我々演奏家もまた、その思いに誠実に応えなければという気持ちにさせられます。
今回は蓑島さんと相談させていただき、ドビュッシーの子供のためのバレエ音楽「おもちゃ箱」をメインに、普段のコワモテ(?)プログラムではなく、いくぶん親しみやすいプログラムと致しました。シューマンの「子供の情景」の他、シューベルトの小さいソナタや、いくつかの編曲作品を取り上げます。たきいみきさんとの共演も、とても楽しみです。
長尾洋史
テノール 辻裕久
Hirohisa TSUJI - Tenor
東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院修了。小山由美、中村健、畑中良輔、嶺貞子の各氏に師事。英国王立音楽院大学院演奏家養成コース修了。声楽をケネス・ボウエン、グラツィエラ・シュッティ、イヴォン・ミントン、ドイツ・リートをパウル・ハンブルガー、イギリス近代歌曲をジェフリー・パーソンズ、バロック声楽をポール・エスウッド、リュートソングをロバート・スペンサーの各氏に師事。1994年故ダイアナ妃後援によるヘンデル『メサイア』公演のテノール・ソリストとしてロンドン・ロイヤル・フェスティバルホールにデビュー。以来ヘンデル、モーツァルト、ロッシーニなどのオペラをはじめ、オラトリオやカンタータ、古楽のソリストとして国内外で活躍。現代音楽の分野でも数々の世界初演を手がけている。1994年第32回フランシスコ・ヴィニャス国際声楽コンクール(西)銅メダル、並びに最優秀オラトリオ・リート歌手特別賞を、また、ヘンデル声楽作品とイギリス20世紀歌曲の演奏に対し、グレート・エルム音楽賞(英)を受賞。1996年より《英国歌曲展》リサイタルシリーズを開催。CDでは「メサイア」、「ベンジャミン・ブリテン歌曲集Ⅰ」(レコード芸術準特選)、「同Ⅱ」(レコード芸術特選)、「日本歌曲第1集」(レコード芸術準特選)、「日本歌曲 第4集」、「ベッリーニ歌曲集」、「サルヴァトーレ・マルケージ」、「ヴォーン・ウィリアムズ歌曲集~牧場にそって」(朝日新聞・毎日新聞・音楽現代推薦盤、レコード芸術特選盤)、「イギリス抒情歌曲集~Home, Sweet Home」(レコード芸術準特選盤) などが高い評価を受けている。ブリテン歌曲集Ⅰ,Ⅱは、ナクソス・ミュージック・ライブラリーでも配信中。
現在、玉川大学芸術学部、フェリス女学院大学大学院、東京大学教養学部非常勤講師。ヘンデル・フェスティバル・ジャパン実行委員。東京交響楽団専属・東響コーラス指導者。
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作曲家・ピアノ なかにしあかね
Akane NAKANISHI - Composer・Piano
東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ大学院にて作曲修士号、キングスカレッジ大学院にて作曲博士号を修める。作曲をサー・ハリソン・バートウィスル氏に、声楽伴奏法を故ジェフリー・パーソンズ、イアン・レディンガム各氏に師事。
第66回日本音楽コンクール作曲部門第1位及び安田賞受賞、国際フランツ・シューベルト作曲コンクール入賞ほか、吹田音楽賞、現音新人賞、深尾須磨子作曲賞など入賞、入選多数。欧米各地の音楽祭、NHK, 英国BBC他の放送局などにより作品が紹介され、国内外の演奏家から委嘱を受けている。作曲家、演奏家双方の立場からの「ことばと音楽」についての研究を続け、歌曲伴奏者としてもイギリス歌曲の専門家としてCDレコーディングやコンサートに参加する他、2017年CD『なかにしあかね歌曲作品集~歌が生まれる』(ALCD-7211)をリリースするなど、充実した活動を行っている。平成17年度文化庁在外研修員として半年間ロンドンにて研修。現在、神戸女学院大学音楽学部教授。宮城学院女子大学非常勤講師。 Handel Festival Japan実行委員。日本作曲家協議会、日本現代音楽協会、日本音楽著作権協会会員。
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ピアノ 長尾洋史
Hiroshi-NAGAO - Piano
東京藝術大学、同大学院修士課程修了、安宅賞受賞。1995年にパリへ留学、エコールノルマルで研鑽を積む。宗廣祐詩、遠藤道子、米谷治郎に師事。89年第1回宝塚ベガ音楽コンクール、91年HIMES海外音楽研修者派遣選抜コンクール第1位。
NHK交響楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団など主要オーケストラとの共演、主要音楽祭、NHK等のメディア出演のほか、海外、邦人作品の初演も多く手がけ、ソロ・リサイタル、マクサンス・ラリュー(フルート)、ジャン=イヴ・フルモー(サクソフォン)、パーヴェル・ベルマン(ヴァイオリン)ら国内外の管楽器、弦楽器奏者と共演し、室内楽も活発に行っている。CDは「エボカシオン」「ラヴェル&ドビュッシー」(ライブノーツ)、「メシアン:アーメンの幻影(2台ピアノ)」、ミシェル・ベッケ(トロンボーン)、ワルター・アウアー(フルート)、加納悦子(メゾソプラノ)らとの共演およびCD多数。最新ソロCDは「長尾洋史リスト&レーガーを弾く」(コジマ録音)。
透明で芯のある美しい音、緻密で精巧なテクニックの中に、熱くみずみずしい音楽を聴かせることのできる、数少ない演奏家である。
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ピアノ 中桐望
Nozomi NAKAGIRI - Piano
岡山県に生まれ、3歳よりピアノを始める。
東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を首席で卒業。在学中に学内にてアリアドネ・ムジカ賞、卒業時にアカンサス音楽賞、安宅賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞を受賞。藝大モーニングコンサートや新卒業生紹介演奏会で藝大フィルと共演する他、同声会新人演奏会やヤマハ音大フェスティバル2010、藝大アーツ・イン東京丸の内「三菱地所賞」受賞記念リサイタル等に出演。2013年、東京藝術大学大学院修士課程を首席で修了。クロイツァー賞、大学院アカンサス賞、藝大クラヴィーア大賞を受賞。
第17回吹田音楽コンクール第1位。第78回日本音楽コンクール第2位。第3回ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノ・コンクール(ウィーン)第2位、併せてコンクール委嘱新曲課題曲の最優秀演奏者に贈られるSonja Huber賞受賞。第58回マリア・カナルス国際音楽コンクール(スペイン・バルセロナ)第2位、併せて聴衆賞受賞。第8回浜松国際ピアノコンクール第2位(歴代日本人最高位)。第15回グリーグ国際ピアノコンクール(ノルウェー・ベルゲン) セミファイナリスト、併せてAAF(アーリンク・アルゲリッチ財団)賞を受賞。
ピアノデュオも積極的に活動しており、2006年の第17回吹田音楽コンクール・ピアノデュオ部門で最高位(1位なしの2位入賞)、2013年、第18回シューベルト国際ピアノデュオコンクール(チェコ)第1位、併せてシューベルト賞を受賞。
これまでに岡山フィルハーモニック管弦楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、藝大フィルハーモニア、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、Orquestra Simfonica del Valles (スペイン)等、多数オーケストラと共演する他、国内外でのリサイタルや音楽祭に多数出演。
2014年秋より、ロームミュージックファンデーション奨学生としてポーランドで研鑽を積み、2015年1月にはデビューCD『ショパン&ラフマニノフ』(オクタヴィアレコード)をリリース。アルバム発売記念として東京・名古屋・大阪・岡山などでリサイタルツアーを行い、オール・ショパンプログラムの演奏が高く評価され、2015年度日本ショパン協会賞を受賞。これからの活躍が楽しみな若手ピアニストの一人として、音楽ファンおよび音楽評論家・ジャーナリスト等から期待を寄せられている。
ピアノを内山優子、近藤邦彦、平川眞理、芦田田鶴子、大野眞嗣、角野裕、エヴァ・ポブォツカの各氏に、ピアノデュオを角野裕氏、室内楽を岡山潔、伊藤恵の各氏に師事。
中桐 望 オフィシャルサイト www.nakagirinozomi.com
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