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グランシップ『春の音楽祭2020~がんばるキミに届け』

2020年2月25日(火)

グランシップ『春の音楽祭2020~がんばるキミに届け』は昨年に続き二度目の開催。私の敬愛する(畏怖する?)坂元勇仁さんがクリエイティヴ・ディレクターを務めておられます。昨年の第1回はリハーサルのみで本番は拝見できなかったので簡単に比較ができませんが、300名に及ぼうかという中高生を中心にした出演者がパフォーマンスを繰り広げる様子は、清々しく、場面転換も鮮やかで、休憩なしの2時間を、弛緩することなく、あきることなく、最後まで興味深く、楽しませていただきました。私が個人的に注目したのは、これだけの大きなイベントであるにもかかわらず、華美に陥らず、余分な贅沢も見えず、本来の人間のありようや潜在的な力を、音楽とダンスという身体表現と入念な構成を通して、ありのままに見せてくれたような、そこには、素朴で純粋で現実であろうというような、創り手側の意思が誠実に息づいているように感じたことでした。場面転換も考え抜かれており心地よい。ときに「んん?」と思うところはあってその印象は最後までぬぐえなかったけれども、鈴木玲奈さんの歌唱の素晴らしさ、そして、その存在自体がこの催しにとって大きな役割を担っていて、要所で見事に輝いていたし、伊與田智子&KENKEN DANCE FACTORYの皆さんの表現は会場の色合いを一変させるほどに圧倒的。常にステージ上にあった、オーケストラと合唱団は、セクションごとに変化する役割に適切に対応していて、特に全編を支えていたオーケストラ(清水フィルハーモニー管弦楽団)の大人の佇まい(?)にはひそかに感銘を受けました。贔屓目もあることは否めませんが、めったにないほどに親しみと共感を持って、そして、安心もあるという、楽しくしみじみ感動する2時間を過ごすことができました。来年も(あるのかな?)楽しみです。
なお、新型コロナウイルスが広がりつつある現在、開催の可否について悩まれたと推察します。今回、会場に赴き、開場から終演までこの催しを実際に体験してあらためて、開催可否判断に至る過程は考え抜かれた結果であるべきで、当然に幅広く情報をつかんでおく必要性はあれど、一方で安易に流されてはならない。その判断と対応から見えるものは、主催者の組織や人々そのものの価値であり、催しに対する姿勢であることを忘れてはならないと思いました。