シン・ムジカ20周年に寄せて
6年半のイギリス生活から帰国した20世紀末、合唱指揮を生業としていたわたくしの父、辻正行の音楽事務所には数人の熱意ある若者たちがいて、蓑島さんはその中のお一人でした。美しいバリトンの声を買われてか、事務能力を買われてか、父に人生を変えられてしまった若者の一人だったのだと思います。
2003年に父が亡くなった時、蓑島さんが事業主宰者となって進めていた髙田三郎先生の合唱作品によるCD全集の制作は、まだ道半ばでした。蓑島さんは父の後任指揮を、40歳になったばかりのわたくしに託されました。今思えば大変な重責を担ったことになりますが、当時のわたくしにとっては、新たな気持ちで髙田作品と向き合い、心から楽しんで音楽することの出来た仕事でした。蓑島さんには、かなり勇気の要る重大な決断だったことと思います。
静岡に帰って地元の文化に貢献したいという蓑島さんの決意に、わたくしどもは心から共感し、応援したいと願いました。そしてかれこれ20年、応援しているつもりがいつのまにか応援される立場となり、わたくしは今もこうして、ここ静岡の地で、多くの聴衆の皆さんと触れ合う機会を頂いております。
父がわたくしどもに残してくれた最大の遺産は、蓑島さんとのこの関係です。どれほど感謝しても感謝しきれるものではありません。『英国歌曲展』リサイタルシリーズも26回目となりますが、シン・ムジカさんの存在なしにここまで継続することはできなかったでしょう。これからも、蓑島さんが我々と仕事をしてくれる限りは、舞台に立ち続けられるよう、努力を重ねてゆきたいと思っています。
2022年9月吉日
辻 裕久
第26回 英国歌曲展 Plus~イギリスの田園風景を歌う~
シン・ムジカ20周年記念Ⅰ
辻裕久 (テノール)
なかにしあかね(ピアノ)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ -生誕150年- Ralph Vaughan Williams 1872-1958
愛しい人よ わたしが死んでも When I am dead, my dearest
リンデン・リー Linden Lea
オルフェウスとリュート Orpheus with his lute
エドワード・エルガー Sir Edward William Elger 1857-1934
秋のうた A song of autumn
羊飼いのうた The shepherd’s song
メアリー女王のうた Queen Mary’s song
ダマスク・ローズのように Like to the damask rose
グスターヴ・ホルスト Gustav Theodore von Holst 1874-1934
4つの歌op.4 Four Songs Op.4
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ Ralph Vaughan Williams
6つのソネットによる歌曲集「生命の家」 « The House of Life » A Cycle of Six Sonnets
◆アンコール
グスターヴ・ホルスト Gustav Theodore von Holst
小さな音楽 12のうた 作品48 より A little music from 12 Songs, Op. 48
ロジャー・クィルター 編 Roger Quilter ,arr
グリーン・スリーヴス My Lady Greensleeves
2022年9月10日(土)14:00開演
静岡市清水文化会館マリナート 小ホール
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業
主催:有限会社シン・ムジカ
シン・ムジカ20周年記念CDのレコーディングが、静岡市清水文化会館マリナート小ホールで実施されました。台風8号通過の真っ只中でしたが、ホールの防音・遮音もしっかりしていて何事もなく順調に進めることができました。制作メンバーは、コジマ録音の小島さん、川波さん、調律の眞鍋さんと最高の布陣で、ホールの皆さんもとても親切に協力してくださって、多少の予期せぬ出来事はスムーズに解消しながら、2日間の日程を無事終えることができました。内容は辻裕久さん、なかにしあかねさんによる「外国生まれの日本のうた」 をテーマに、全12曲。なかにしあかね新編曲も含まれます。12月または来年1月発売予定です。
来月開催予定の演奏会 ポスターの前で。
お昼のお弁当「太刀魚の蒲焼き重」
保延裕史先生は私共の演奏会やCDについて、いつもあたたかいお言葉をかけてくださり、その一つひとつにたくさんの勇気をいただきました。ご冥福をお祈り申し上げます。心からの感謝を込めて。
本日は弊社の設立記念日。20年が経ちました。明日から(本日から?)21年目となります。
今年9月から来年3月まで4つの主催公演を予定しています。今後ともよろしくお願いいたします。
第26回英国歌曲展plus
辻裕久ten なかにしあかねpf
2022年9月10日(土)
静岡市清水文化会館マリナート 小ホール
中桐望ピアノリサイタル
2022年11月19日(土)
静岡市清水文化会館マリナート 小ホール
辻裕久テノールリサイタル
なかにしあかねpf
2022年12月27日(火)
三島市民文化会館 小ホール
長尾洋史ピアノリサイタル
たきいみきna
2023年3月17日(金)
すみだトリフォニーホール 小ホール
2021年も間もなく終わりを迎えます。28日が仕事納めのつもりでしたが、いまもゆったりと、後片付けや来年の準備をしています。一つひとつの催しにかける時間は、2年前とは比べ物にならないほど大きくなりましたが、それくらい大切に一つの演奏会に向き合うことも悪くないと考えられるようになりました。量より質、弊社の役割やすべきことについてより深く考えるようになりましたし、それぞれの瞬間の価値が私の内で高まったように感じます。
来年は、創立20年を迎えます。すこしだけ、過去に想いを馳せる期間になるかもしれませんが、変わりなく、これまでと同様に、支えてくださる皆様と共に活動してまいりたいと思います。主催事業もいくつか決まっております。時期がきましたら皆様にお伝えしてまいります。
引き続きわがままに、全力の現状維持で、歩んでまいりたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
バッハ:ゴルトベルク変奏曲-pf長尾洋史
2021.3.13 静岡市清水文化会館マリナート
第25回英国歌曲展plus静岡公演-ten辻裕久 pfなかにしあかね
2021.9.18 静岡市清水文化会館マリナート
古楽アンサンブル エクス・ノーヴォ〜ヴェスプロ特別演奏会〜静岡公演
2021.12.17 しずぎんホールユーフォニア
宇野功芳先生がお亡くなりになって5年が経ちました。
2016/07/30
宇野功芳先生が6/10(金)に亡くなられた。今でもなお、これまでにない喪失感と共にあるけれど、自分なりの追悼の想いをまとめておきたい。宇野先生に初めて接したのは2003年1月18日、執筆50周年パーティだった。招待されていた辻正行先生(故人)に同行したのだ。同年5月に辻正行指揮による「髙田三郎合唱作品全集“その心の…
「水のいのち」は第1集CD に、「心の四季」は第2集CD に収録済みであったため、コンサート用にプログラムされたこの2曲の録音は10年以上公開されていませんでした。
混声合唱組曲「水のいのち」
指揮:辻裕久 ピアノ:辻志朗 合唱:大久保混声合唱団
2006年11月12日 石橋メモリアルホール
髙田三郎合唱作品全集「その心の響き」混声編Ⅲ
[イザヤの予言 春から冬へ(薄氷-夕立-みのり-囲炉裏) ひたすらな道 水のいのち]
企画・制作:シン・ムジカ(蓑島音楽事務所)
VIDEO
混声合唱組曲「心の四季」
指揮:辻裕久 ピアノ:辻志朗 合唱:大久保混声合唱団
2007年4月22日 石橋メモリアルホール
髙田三郎合唱作品全集「その心の響き」混声編Ⅳ
[春夏秋冬(ある朝の歌-キャンプ生活-秋を呼ぶ歌-炉辺のつどい) 内なる遠さ ヨハネによる福音 心の四季]
企画・制作:シン・ムジカ(蓑島音楽事務所)
VIDEO
髙田留奈子先生メッセージ 髙田三郎合唱作品集「その心の響き」混声編Ⅳ CD ブックレットより抜粋
ご病気をおしての(辻)正行先生の最後の貴重な録音、父君のご遺志を継がれた、秀幸様、志朗様、裕久様のそれぞれの個性を生かしながらも作品を深く理解されての演奏。夫の混声合唱曲のすべてをこのように遺していただきましたことを、本当にありがたく存じます。大久保混声合唱団は本年(2007年)発足50周年を迎えられますが、第1回の「水のいのち」以来、夫の作品を歌い続けて下さいました。また常に中心的存在として、先生のご遺志を果たすために力強く支えて下さったみよね夫人、この大きな計画の達成のために惜しみない努力を続けられた蓑島晋様、その他ご関係の皆様にもう一度改めてお礼を申し上げますと共に、今後のご発展を心からお祈りしております。
(2007年7月 髙田留奈子)
弊社のカレンダーの写真を撮影されている寺沢孝毅さんの新刊≪BIRD ISLAND TEURI≫が完成しました。この状況下にあって、天売島の美しさ、そこにある命のぬくもりに、心から癒されます。
詳細はこちらから
髙田留奈子先生がお亡くなりになりました。ご自身のお誕生日である5月11日に、101歳でした。最後にお話したのは2月21日。口調も明確でお元気そうだったので安心していただけに、この現実を受け止めきれず、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちです。
ふと気づくと、髙田三郎先生よりも長いお付き合いとなっていました。辻音楽事務所で髙田三郎作品演奏会に関わっていたときや、大久保混声合唱団でレコーディングや創立50周年記念演奏会、辻正行追悼演奏会など髙田作品をプログラムした際には、留奈子先生にたくさんのご助言やご協力をいただきました。特に髙田(三郎)先生が2000年に亡くなってからは、留奈子先生にお話を聞く機会が多くなりました。私のような立場の者にもやわらかく丁寧に接してくださり、そして、いつも私の考えを尊重してくださりながら、正しく導いていただきました。
1年の多くは熱海にお住まいで、熱海や沼津、三島の合唱団に所属しておられました。私が静岡に移ったことをとても喜んでくださり(そして、私の仕事が成り立つか心配もしてくださっていました)、2011年4月3日に開催された「おかあさんコーラス静岡県大会」にご出演の折には静岡駅でお食事をご一緒し、「主人が生きていたら再来年で100歳よ」「記念公演が増えるでしょうね」「まだ何も聞こえてこないわ」「2013年は辻(正行)先生の没後10年でもあります」「辻先生なら絶対何かやってくださっていたわね」「では静岡でやりましょうか」そんな会話から「髙田三郎生誕100年記念コンサートin静岡(2013年12月8日・静岡市清水文化会館マリナート)」が実現しました。
その後も、女声合唱曲のCD制作のお手伝いをさせていただいたり、私の企画する演奏会のプログラムに寄稿いただいたり、ときに、熱海にお招きいただいたりもして、公私共に気に留めてくださっていたのだと思い至ります。
今にして思えば、髙田三郎作品を介して、たくさんのご縁をいただいてきました。それにより得られた多くの出来事が私にとってどれほど実りのあるものであったか、髙田三郎先生、留奈子先生には、感謝してもしきれません。
ある方に留奈子先生の訃報をお伝えしたところ「お誕生日に亡くなられるとは、あの方らしい…見事なご生涯ですね、羨ましいです。」とのお返事がありました。本当にそう思います。
髙田三郎先生が亡くなって20回目のお誕生日に天にお帰りになられた。
留奈子先生、どうか安らかにおやすみください。
◆2011年4月3日・全日本おかあさんコーラス関東支部静岡県大会のあとで